CICのHDDをクローン
初期の車輌に搭載されているCCCの故障が聞かれて久しく、CICもそろそろ故障をするのではないか?と戦々恐々とされている方もおられると思います。
そんななか、せめてHDDだけでも予備が何とかならないか、と思うのは当然だと思います。
今回は、CICのHDDをクローンする方法です。
ちなみに、NBTのHDDはクローンが非常に困難です(現実的には不可能に近いです)が、海外の猛者で、SSDにクローンしている人はいます。いることはいますが、CICのように誰でも彼でも、気軽にホイホイ、という手技ではありません。
HDDからHDDにクローンしてもかまいませんし、SSDにクローンしてもかまいません。
ただ、HDDへのクローンでもSSDへのクローンでも、特に使用上の速度の変化は感じられないと思います。おそらく、CICのインターフェース自身がPATA=IDEなので、読み書きの速度のリミティングファクターはHDD(SSD)ではないからです。
実際SSDに換装しても、体感できる速度アップは、私は感じられませんでした。
ちなみに、オリジナルのHDDはこれです。
東芝のMK8050GAC 80GBのIDE=PATAのHDDです。
実はこのHDDは、ナビゲーション用に特別に開発された、耐熱、耐衝撃に優れたHDDで、当時、全世界のナビゲーションのHDDの70%のシェアを誇ったもののようです。
すでにこの当時SATAが勢力を伸ばしているときに、BMWがあえてPATAを採用したのはこのような理由でしょうか。
ーまだ続くー
HDDのはずし方
HDDのはず仕方です。
セオリーどおりに攻めるなら、①⇒②⇒③とパネルをはずしますが、①をはずすのは大変です。
①をはずさず、②の下方を浮かせれば、③ははずすことが可能です。
はずすと先ほどのHDDを収納したスロットがあるので、はずして下さい。
クローンの実際
あとは、何も考えずにHDDをクローンです。
私はAOMEI Backupperというフリーソフトを使用しました。
また
ダプター:GREEN HOUSE SATA/IDE-USB2.0変換アダプタ 2.5インチHD対応 GH-USHD-IDESA
使用して、PATA-SATAの変換を行いました。
HDDからHDD(SSD)に直接クローン(On the Fly)でもかまいませんし、いったんPCのHDDに保存してからクローンしてもかまいません。
SSDを使用する場合は、SSD-PATA(2.5インチ)の変換アダプターを使いましょう。私は
玄人志向 mSATA SSD IDE変換アダプター KRHK-MSATA/I9
を使用しました。
ーまだ続くー
小ネタ
最後に小ネタです。
CICのHDD内にはA0というプログラムも書き込まれています。⇒CIA0自身もCIC本体のFフラッシュメモリ内にあるらしいですが不明です。
CIC内部にはCI63、CI62、CIA0の3つのプログラムが書き込まれていて、このうちCIA0はE60、E70、E90すべてに共通です。
また、CI63~CIA0のプログラムのバージョン(DATEN=ZB)は、違っていてもあまり不具合はおきません。
つまり、自分のCICのHDDがクラッシュして、誰かの(もしくは中古の)CICのHDDをクローンしてインストールしても、とりあえずは作動します。
そのため、念のためCICのHDDをクローンしてストックしておくというのは、あまり必要がないかもしれません。クラッシュしてから調達しても良い気もします。
もちろんHDD内のミュージックサーバーの保存と言う意味であれば、HDD内容を保存する意味はありますが。
なので、自車のCICのHDDが万が一だめになったら、そのときに、友達のHDDをクローンしたら、復活します。E60、E90、F系のCICのHDDも、どれも同じで互換性があります。
なので、壊れてから誰かのHDDをクローンしてもよいかも?
ただ、ドナーのHDDの音楽データなんかも移植されて、レシピエントの音楽データなどはもちろんダメになりますが。
最後に、HDDをクローンして換装すると、CICへのマウントが不安定になったりする印象があります。クローンするとセクタの一部でクローンと判断されてしまうのでしょうか?
上記と重なる内容もありますが、追記事項を列記します。
追記事項としては、HDD(SSD)を移植すると、HDD(SSD)を認識しないときがあります。
ボリューム超長押しでCICを再起動しても、認識せず、しばらく(数時間)放置すると、CICが完全に再起動がかかり、HDD(SSD)を認識することがありました。
RetroftiのCICで、ScriptでActivateした場合、SSDを使用した場合、オリジナルHDDと比べ若干(Scriptの作動)エラーが多いような印象がありました。Scriptが立ち上がる前にSSDが立ち上がってしまうからでしょうか?
この場合も古いDATENだとエラーが少ない印象です。
2017/10/7追伸
HDDをSSDに載せかえることによる、性能的メリットはホボ感じられません。データの読み出しは、HDDやSSDの速度ではなく、インターフェース(IDE)に規定されているような気がします。
どちらかというと、クローンを使うことで純正HDDが温存出来ることがメリットではないでしょうか。
ただ、純正のHDDが故障することもきわめて珍しく、故障した時点で誰かのHDDを借りて対応してもよいような気がします(その場合、入れておいたミュージックサーバーは駄目になりますが)。
CIC本体にはVINが入っていてCASのVINとのVINの照合が行われて、他車のCICはポン付けでCICは起動しませんが、HDD内(のソフト(CIA0))にはVINは格納されていませんので、他のE系のCICのHDD(のクローン)がそのまま使えます。
2020/07/01追記
今回のようなソフトウェアを使ってHDDをクローン(正確にはコピー)すると、CIC本体がクローンと認識するような印象があります。実際的にはHDDのマウントが外れてグレーアウトしてしまったり、頻回にグレーアウトするようになってしまったりすることがあります。
HDDコピーツールでHDDのセクタの並びを完全に一致させたまま複製するとどうかは検証していません。
どちらにせよ、クローンのHDDは作動が不安定になる場合があるので、いつでもオリジナルのHDDに戻れるように、オリジナルのHDDを上書きしたりはしないほうが良いです。