WinKFPによるCASのFLASH
私自身は、DME以外のすべてのモジュールを、WinKFPで書き換えてみました。
CASのFLASHの必要性は、どのような場面で起きるのかあまり想定できませんが、CASは他のモジュールと少し勝手が違うので、とりあえずアップしました。
モジュールのFLASHはバージョンアップの場合はISTA PもしくはWinKFPのcomfort modeで可能です。
また、バージョンダウンの場合はWinKFPのExpert Modeのみで可能です。
ところで、CASは、全モジュールの中で、唯一、イグニションをOFFでFLASHする必要があります。
ISTAでの書き換えの場合は、いろいろ指示がありますが、WinKFPの場合は指示がないので注意が必要です。
インターフェースはICOMは不要で、K+D CAN ケーブルで可能です。
FLASH時間は10分弱です。
ーまだ続くー
WinKFPによるFLASHの実際
まず車輌と通信し、WinKFPを立ち上げます。
comfort modeもしくはExpert modeのセッティングを行います。
他のモジュールはセッティングしてその後”Prog NAAB”や”PROGRAM”を実行しますが、CASの場合、イグニションをONのままで実行すると下記のようなエラーが出ます。
そのため、”PROGRAM”(Comfort modeの場合)や”PROG NAAB”(Expert Modeの場合)を実行する(押す)前に、一旦イグニションをOFFにして、キーをスロットから抜きます。
(完全に電源をOFF(アクセサリーもOFF)にします)
書き換え開始が成功すれば、「書き換えは一回だけです」などが表示されて、OKを出すと、すぐに下記の画面になります。
後はいつもどおりに書き換えて終了です。
ちなみに
この状態で書き換えを失敗した場合、INPAでエラーをはいたままになり、WinKFPのExpert Modeで再FLASHが成功しないと、エラーは消せません。
車輌でもエラーを吐き続けます。
私の場合は、その状態でもなぜかCASがすべて正常に機能していました。
ーまだ続くー
CASの電源って?
イグニションもACCもOffにすると、CASのFLASH中に、モジュールの電源が完全に落ちるのではないか?と心配されている方もおられると思いますが、落ちません。
CAS自身は、デフォルトでずっと電源が入っているモジュールで、逆に一定条件(イグニションをOFFにした後、消費電力が一定以下)で、モジュールへの電源供給が遮断されます
。
だから、CASがFLASH状態(Bootload)に入ると、消費電流は落ちないため、書き込み途中で電源が落ちて大惨事にはなりません。
CASは各モジュールのバッテリーの消費をチェックしていて、一定以下の電力消費になるとDeep Sleepに入ります。
後付けのレーダなどの機器の消費電力の大きさによってはCASはいつまでもスリープには入れません。
CICのHeadUnitをスリープに入れるのも、CASが担っています。
EシリーズにNBTをレトロフィットした場合、エミュレーターのあるサプライヤーの初期のファームウェアでは、HeadUnitの消費電力をきちんと検知できず、NBTがスリープに入らないでバッテリー放電(バッテリードレイン)問題が発生した時期があります。
ネットでは、サプライヤーがCASのコーディングやCASのプログラムの書き換えを指示していた時期もありますが、単にエミュレーターの問題です。CASをドウコウしても解決しません。すなおにエミュレーターのファームウェアをバージョンアップしてください。